好きな駄菓子は何でしたか? 一気食いでよみがえる、昭和の思い出。
昭和の終わりに子ども時代を過ごした。だから昭和というと、おもちゃや絵本、アニメ番組が真っ先に思い浮かぶ。駄菓子もそのひとつだ。我が家では多くの食品を生協で手に入れていたのだが、当時の生協のお菓子パッケージは簡素で、子ども心にちっとも面白くなかった。そのせいか、あるいは本当にそうだったのか、味もなんだか薄く感じた。楽しいパッケージのお菓子を開けたい、もっと濃い味のお菓子が食べたい――そんな願望を満たしてくれたのが、時々お小遣いで買うことを許されたり、地域のイベント時に配られる駄菓子だった。
久しぶりに食べてみたいと思い駄菓子屋さんを探してみたものの、近所はおろか沿線にもほとんど見つからない。そこで、ついでもあった千駄木で「駄菓子屋木村屋」に寄ってみた。なんだか懐かしさを覚える賑わいの谷中商店街にある、「こんな感じだった!」という店構え。木製の什器や透明のボックスに駄菓子がずらりと並ぶ。壁にはプラスティックのバットや風船などのおもちゃが掛かっている。
お気に入りの双璧だった蒲焼さん太郎(ちぎってちびちび食べた)とキャベツ太郎(袋に残った粉まで味わった)、うまい棒、カットよっちゃん、どんどん焼……パッケージがまったく変わっていないものもあれば、新味が増えているものもあったり。手あたり次第、ピックアップしていたらあっという間にカゴがいっぱいになってしまった。しめて300円!
久しぶりに味わった駄菓子はというと、塩辛いもの好きの私にとってもなかなかどぎつい味だった。我が子にはあんまり食べてほしくないなとも思った。でも、この懐かしくて楽しい感じ! 予算内に収まるように計算して選んだり、友達と交換したり、勝負ごとの賞品にしたりと、黒歴史前のいろんな思い出が頭を駆け巡った。
みなさんにもきっと好きだった駄菓子があるに違いない。スーパーの駄菓子コーナーなどでお馴染みのパッケージを見つけたら手に入れて、昭和にタイムスリップしてみてはどうだろうか。(編集NS)